与太郎の呟き

2023年8月23日(水)
【昭和天皇陛下】






戦後日本で1945年の冬に深刻な食糧危機が訪れ、昭和天皇は文部大臣である松村謙三に「皇室の御物の中には、国際的価値のあるものが相当あるとのことである。よって帝国博物館の館長に命じて調査させ、その目録を作成させたのがここにある。これを代償としてアメリカに渡し、食糧にかえて国民の飢餓を一日でもしのぐようにしたい。そのように取りはからうに。」と命じた。

陛下の強い意志に押されマッカーサーに目録を届けると、マッカーサーは驚き、「皇室の御物を取りあげて、その代償に食糧を提供するなどのことは面目にかけてもできない。」とし、目録を返却した後に米国からの食糧支援の策を講じると伝えた。

1975年に昭和天皇は国賓としてフォード元大統領に招かれホワイトハウスに居た。
天皇陛下の訪米について米国世論は殆ど興味が無く報じられることが無かったが、昭和天皇は米国に対して当然恨みを抱いているだろうというのは誰もが想像したことだった。
ホワイトハウスでの晩餐会で陛下は次のように挨拶をした。

「わたくしは多年、貴国訪問を念願しておりましたが、もしそのことがかなえられたときは、次のことを是非貴国民にお伝えしたいと思っておりました。と申しますのは、わたくしが深く悲しみとするあの不幸な戦争の直後、貴国が我が国の再建のために温かい好意と援助の手を差し伸べられたことに対して、貴国民に直接感謝の言葉を申し述べることでありました」

「先の戦争を知らない国民が両国とも過半数を超えようとしています。しかしたとえ今後、時代が変わろうとも、貴国民の寛大さと善意は日本国民の間に長く語り継がれるものと信じます。」としめくくると、会場は多くの拍手で沸き返った。

その後この話題は瞬く間に全米に伝えられ、6日間も連続で新聞の第一面で日本の天皇陛下の訪米が報じられた。
戦争終結から30年後の出来事。




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