与太郎の呟き

2011年9月2日(金)
【盲目のミュージシャン】
盲目のミュージシャン




今から20年ほど前、浜松駅前で唄っていた。
その当時はまだストリートミュージシャンなる存在が確立していなくて、俺一人で唄っていた。
始めた当初は興味半分でチラホラと足を止め観ていってくれた方がいたのだけれど、半年後には100人ぐらいのギャラリーで賑わった時もあった。





そしていつものようにいつもの場所で唄っていた時、一組の親子連れがこちらに近づいてきた。
父親に連れられて一緒にいた少年は白杖を手にしており、こちらの唄を関心に聴いていた。
その少年は当時17歳、全盲だった。





しばらく聴いていた後、ギターを弾かせてほしいとの事で快く了承した。
16歳にしては、なかなかイカしたギターを弾く。
フォーク・ジャズ・ブルース・ロック・ギター三味線と、何でもこなしてしまうほどの腕前だ。
しばらく彼の演奏に聴き入ってしまった。

その彼の名前は「服部こうじ」
現在は東京都練馬区在住のジャズギタリスト。
http://www015.upp.so-net.ne.jp/gt_kouji/





こうじが2〜3歳の頃母親がクラッシック音楽をレコードで聴かせていたところ、子供用のおもちゃのピアノで全てコピーした。
ある音を単独に聞いたときに、その音の高さについて音楽で決められた名前を他の音と比較せずに即座に言い当てることができる、つまり絶対音感の持ち主だ。
ピアノ・ギターの他にも、三味線・和太鼓・ドラム・ベース・管楽器など何でもこなすマルチプレイヤーだ。





彼と出会った後、レストラン・居酒屋・ライブハウス・各イベント等で一緒にライブをするようになった。
その当時の曲を今でも数曲ライブで唄っている。
ライブの無い時にも彼の家にはよく遊びに行っていて、両親とも家族ぐるみの付き合いをしていた。
当時こうじは盲学校に通っていてはり灸の勉強をしていたこともあり、よくマッサージやお灸をしてもらったものだ。
驚いたのが、彼とテレビゲームの野球をした時のことだ。
俺は最初から負けるわけないだろとナメてかかったのが大きな間違いだった。
結局こうじが勝った。
何回対戦しても、俺が全敗だった。
全て耳で聞いて操作していたという。





何年か過ぎた時に、本人は音楽で生きていきたいと単身東京に移住した。
今では桜小路富士丸氏や前田憲男氏(ピアノ)・荒川康男氏(ベース)とユニットを組んでいて、関東を中心に全国的に音楽活動をしている。
CD 「銀座のこうじの物語」リリース中。

お互い時間や都合のつく時にでも、また一緒に演りたいものだ。





恋は盲目というが、盲目だからこそ研ぎ澄まされるところがあるのだろう。
見えないからこそ、見えるものがあるのだろう。






曇りガラスのパリ/作詞作曲:土田りかこ
ギター/服部こうじ

http://youtu.be/iMuQBUgb2yc




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