昭和47年4月

名古屋市立旗屋幼稚園入園。

幼稚園までは徒歩20分で、夏はセ−ラ−服の制服を着て通園していた。



佳代は生まれつき頭が良かったせいか、特に『文字』を教えて貰った訳でもないのに、親の知らない間に既に文字を覚えていた。

入園テストの待ち時間には、棚から本を持ち出して、大きな声で読んで他のお母さんからも驚かれた。

「まぁ!、もう、そんなに読めるなんて凄いわね!」

また、冬になると積もった雪に大はしゃぎして、着替えもせず外に跳び出して、雪ウサギを作っては、大事そうに冷凍庫に入れたりしていた。

また、高蔵公園のバックネットにスルスル登って、母を心配させる程のお転婆娘だった。


活発な佳代は、幼稚園の運動会で1位、園外活動の芋堀り競争でも1位を取るなど元気に幼稚園生活を送っていた。

佳代の負けん気の強さは、この頃から目立ち始める。

幼稚園の年少期の頃、女の子で1人だけ鉄棒の逆上がりが出来る子がいた。
負けず嫌いの佳代が闘志を燃やさないわけがない。

逆上がりが出来ずにいた佳代の為にと、祖父が自宅の裏庭に手作りの鉄棒を作ってくれた。

すると、佳代は幼稚園から帰宅すると、鉄棒下にゴザを敷き、午後2時から夕暮れまで練習して、遂に逆上がりをマスターしてしまった。

「佳代の根性には呆れるわ」

母は夕食の席で苦笑しながらも、佳代の努力する姿を見守っていた。



運動会での徒競走で1等賞になって、得意顔の佳代に父は尋ねた。

「佳代、良くやったね!
御褒美は、何がいいのかな?」


佳代は暫く考えて答えた。

「あのね、大工道具のセットがいい!」

佳代は、父から貰った大工道具を器用に使い熟しては、色々な物を作った。

幼稚園でもゲームや玩具を作るのが得意で余興の小道具作りなどは、佳代にとってはお手のもの。
ハンドメイドの冠や洋服を身にまといながら、『シンデレラの王子様』を得意顔で演じたりした。

健康状態は極めて良好で冬の寒い日でも薄着で通す子供だった。

また運動神経では、姉に劣るものの、祖父が歌などの余興をやらせると佳代の方が勝っていた。
祖父母は、佳代に良くリクエストをした。

「チイチイパッパ、チイパッパ−♪
雀の学校の先生は♪」


臆せず唄うのは、いつも佳代の方だった。

祖父は、絵と歌の上手さは、姉よりも妹の佳代の方が優れていると感じていた。

そして、佳代がTVのブラウン管に映る女性歌手の姿に引かれたのもこの頃で、天地真理や桜田淳子のモノマネは、たちまち彼女の十八番となった。

引越してからは、近くに公園が無い事もあって、体を強くする為に姉の通っていた、名古屋YMCAの体操教室にせがんで入れて貰い、週に2回通って、1回30分の時間を母と一緒に体操やお遊戯をしたりした。

この頃、祖父は良く姉妹を連れて郊外に出掛けていた。
連れ歩く度に「姉はスタスタと速く歩く」けど、「佳代はドタドタ」という感じだと、家族に感想を漏らして笑い合った。

また、「運動神経に限っては、姉の勝ち」で、「佳代は、どうも運動が苦手のようだ」と、2人の孫姉妹を判定して見ていた。

しかし、佳代は、YMCAでの体操を小学校2年生まで続けている。
運動神経で姉には負けても、根性だけは負けていなかった。

マット運動やトランポリンをする佳代は、髪を束ねて舌をペロペロと出す不二家のペコちゃんにの仕種に良く似て愛らしかった。



夏のキャンプでは、小さい手に包丁を持ってカレ−作りを手伝ったり。
冬のスキースケ−トで沢山の楽しい思い出を残した。

一方で、大の注射嫌いのクセして、母が一人で医者に行かせると「お願いします。有難うございました」と、キチンと礼儀正しく、挨拶して帰って来るシッカリした子供でもあった。

居間のテ−ブルとソファーを片付けて、クラッシックのレコード『小犬のワルツ』、『白鳥の湖』を掛けては、自分で振りを付けて、バレリ−ナの真似をしてみたり、親戚の人が遊びに来ると、玩具のマイクで歌マネなど披露した。

既に、この頃から、かなりのタレント性を発揮していた。

佳代は、TVの横に絵日記を置いて、決められた時間以上にTV を観る時は、絵と感想を書く事になっていた。
絵を描く事が大好きな佳代は、喜んで何枚も絵を描いていた。

2歳年上の姉とは、家でもママ事や人形ごっこで遊ぶ事が多かった。
姉は新品の洋服を着せて貰うが、妹の佳代はお古ばかりで、その事が原因で姉と喧嘩になったりする。

喧嘩して怒られる時も、負けん気の強い佳代は、姉に対してライバル意識を大いに抱いていた。
口喧嘩を良くして、我慢出来なくなると取っ組み合いの喧嘩にまで発展した。

喧嘩で1番多かった原因は、『チャンネル争奪戦』であった。

この頃から、歌が好きにって、歌番組を熱心に見ていただけに姉との喧嘩は凄まじいものだった。

佳代の得意とする必殺技は、『噛み付き作戦』で、1度コ−トを着ていた姉の腕にガブリと噛み付いて歯型を付けた事もあった。

毎日、チャンネル争奪戦に勝つのは佳代の方で、勝ちを譲ってくれる優しい姉の事は佳代は本当は大好きだった。

二段ベッドの上と下で夜遅くまで、他の人には話せない、男子の事や色々な相談事を佳代は姉には相談して聞いて貰っていた。

そして、お転婆な佳代も母に1度ピシャ!と叱れた事件がある。
YMCAに通う子が親に対して、「あんた」と言っているのを聞いて、佳代も1度だけ母親に対して「あんたね−」と、言った時に平手打ちで叱られた。

大きく成るに連れて、家に知らない人が遊びに来ても、親の後に隠れずに前に出て、ペコペコ頭を下げて挨拶したりと、少しずつ目立ちたがりの一面が出て来た佳代も小学生になる。







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